訪問看護ステーションつばさ お正月を迎えて

 

あけまして おめでとうございます。

 お正月気分も終焉の夜に「ドーン」という音、その直後に揺ら揺らと横揺れ

 けたたましく鳴る携帯電話の緊急警報音

 テレビでは熊本県和水町を震源とする地震の速報

 一瞬緊張感が走りましたが、幸いに各地の被害は少ないことで一安心しました。

 今年は災害のない平和な年になって欲しいと祈る思いです。

 

 さて、新年早々ですが、『訪問看護ステーションつばさ』の活動をご報告致します。

 在宅緩和ケアを特徴としているステーションで、年間80〜90名の方の在宅看取りを行っております。医療依存の高い方も多く利用されているため、年末年始休みなく、久留米市内とその近郊を駆け巡って訪問していました。

 毎日点滴を受けている小学生から100歳代の方まで、訪問看護を必要とされている方など幅広い年齢層です。

 元日に小学生男児を訪問すると「友達が朝マックを持ってきてくれたよ!美味しかった!」と笑顔。正月早々御節ではなくマックかぁ・・・。ご両親、お兄ちゃんお姉ちゃん、お婆ちゃんの5人で過ごしたお正月を「やっぱり退院してお家で過ごせて良かった!」と、喜んでくれました。車椅子で近くの神社にお参りし、日本のお正月を普通に過ごす幸せを感じておられるようでした。

 

一方では、大晦日、元旦と毎日訪問した60代女性が2日に旅立たれました。

 いつも笑顔で、最後まで家族のために御節料理を作られた彼女の生き方は素晴らしく、よく頑張られたと拍手を送りたい・・と、悲しみだけではなく生き方に感動しております。

 

1月3日 畑一面に霜が降り、訪問先の庭に氷が張る寒い朝。

 霜が降りると白菜が美味しくなるのよ」と、訪問先の奥様。

 「外はそんなに寒いね?家の中にいるとわからんなぁ・・」と、年末からの肺炎からようやく回復に向かうご主人。

 「お父さん、帰りますよ」と、年末年始に東京から帰省されていた娘さんの言葉。

 「気をつけて帰れよ・・・」と、目を伏せてちょっと寂しそうな表情。

 「娘は遠くにやるもんじゃないですね・・・」と奥様の言葉。

 それぞれのご家庭で様々な生活様式で日本のお正月を迎えておられました。

 

私のお正月を少しばかりご紹介。

 お正月は毎年実家の母がおせち料理を作るのですが、その母も数年前より認知症になり、今年はおせち料理を作ることができなくなってしまいました。そのため、十数人のお正月のお客様にお出しする「がめ煮」を私が作ることになりました。88歳の父が年末に買い出しをして、母と一緒に野菜を切り、20人分の「がめ煮」をどうにか作りました。時々母に味見してもらい、母の味程上手にはできなかったのですが、両親とも満足した表情。蓋をした鍋の中に何が入っているか分からなくなる母は何度も鍋の蓋を開けて「がめ煮」であることを確認していました。そんな姿をみていると、つい笑ってしまうのですが、実家から帰る車の中で母のことを想うとボロボロと涙がこぼれてきます。 

 訪問しているご家族も、同じような気持ちになっておられる方も多いのではないでしょうか?

 私自身23年訪問看護に携わり、自分自身の家族を見る目も変わり、心身ともに健康な体に育ててもらい、何がしか社会に貢献できるようになったことを振り返ると、両親に感謝せずにはいれません。

 あたりまえのお正月はいつまでもあたりまえではない・・・、そんなことを両親から教えてもらっているようです。

 年末年始、訪問に駆け巡っていたスタッフやその家族のことも気になり、「いいお正月が迎えられますように・・」と、祈る思いでした。

 忙しさや諸事情で三社参りができなかった方のために、三つの神社の写真をアップしています。

 どこの神社かおわかりでしょうか?  ヒント:全国各地にある○○宮の総本宮、火祭り、城跡。

おわかりの方はご利益があるかも・・・です。

今年も幸多い年でありますように!

                           訪問看護ステーションつばさ  管理者 小野幸代 (今年の年女より)