91歳 一人暮らし

Aさん、91歳の女性。

ご自宅に、たった一人で暮らしていらっしゃいます。

娘さんを先に看送られ、唯一の肉親は東京のお孫さんだけ。

腰は大きく曲がり、年金は月に7万程度しかありません。

時々、腰痛と骨粗鬆症のため立てなくなります。

何回も圧迫骨折を繰り返されています。

 

・・・そう書くと、一見とても大変な生活のように感じられると思います。

なんで有料老人ホームに入所しないの?・・・そう言われそうです。

でも、どんなに高齢になっても、どんなに動くことが大変になっても、Aさんは現在、ご自分で選択した生活を続けることができているのです。

確かに91歳の一人暮らしは、辛いことが多いかもしれません。

時には、寂しさに涙されることもあるでしょう。

それでも、Aさんは毎日ヘルパーさんとデイサービスを利用しながら、健気に、前向きに生きようとされています。

そして私たち介護職は、そんな生き方を選択されたAさんが、大好きです。できる限り寄り添い、力になりたいと思います。もちろん私たちは家族ではないし、介護保険の縛りもあるし、何でもして差し上げると言う訳にはいきません。でも、介護職として関わる前に、人としてAさんの生き方を支援したいと思うのです。

 

「最後まで、この家に居てよかね?あんた達、最後までうちに来てくれるとやろ?」・・・そういわれるAさん。

もちろん、Aさんが最後まで自宅で暮らしたいと望まれる限り、私たちはいつでもお伺いして支援させていただきますよ。

Aさんの望み通り、どうぞ最後まで、想い出のいっぱい詰まった自宅にいてください。

もし、Aさんが寝たきりになったら、主治医の先生も、24時間対応してくれる訪問看護師も、ヘルパーさんも、ケアマネジャーだって、必要なときにはいつだってお伺いしますよ。

だから、何も心配しないでくださいね。

Aさんは、決して一人ではありませんよ。

私たちがついています。

何かあれば、いつだって飛んできます。

だから、いつまでもいつまでも、大好きなご自宅に居てくださいね・・・。

 

高齢になったら、人は自分の人生を自分で選択することがしばしば「困難になることがあります。でも、Aさんのように、たとえ一人でも、たとえ裕福ではなくても、自分のことは自分で決めることだってできるのです。

認知症を発症してしまったら?・・・事前指示書があります。自己決定ができるうちに、文書にしてこれからの自分の人生のことを決めておくのです。

 

どんなに高齢になっても、自分の人生は自分で決めたいですよね。

自己決定への支援・・・私たち介護職・看護職にとって、これから最も重要な支援方法の一つになってくのは間違いないと思っています。

たった一度きりの人生。思い残すことがないように生きたいですものね。

 

                           御井町ケアプランサービス

                             管理者  川津 敦子