久留米市介護福祉サービス事業者協議会主催の上映会で「ケアニン」という映画を、有料老人ホーム・小規模多機能のスタッフ5名で観てきました。
〜「ケアニン」とは、介護・看護・医療・リハビリなど人のケアに関わり、自らの仕事に誇りと愛情、情熱を持って働いている全ての人〜 なんとなくで介護の仕事を始めた若い男性新人介護士が、いつしか本気で向き合うようになっていく様子を描いた映画です。
担当になったご利用者が末期ガンと言われ、受け入れられなかったその主人公に自分が重なり、涙が溢れました。
思い返してみようと、2年半くらい前に書いた文章を引っ張り出してきました。
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ケアマネとして初めて担当させて頂いた方をお見送りしてきました。
初めてお会いした日のヨソヨソしい感じ…。
後遺症でしゃべれないと思っていたら、少しずつおしゃべりできるようになって…。
冗談が言い合えるようになって、顔を見たら「あ〜、おった」って手を差し出してくれるようになった…。
体調が悪くなって大きな病院に検査に行ったら、待ち時間が長くって、「もう帰ろう、もう帰ろう」って、子供みたいに何度も言った…。
「脳梗塞の後遺症と高齢によるもの。これが自然の摂理ですから。若返る薬はないんですよ」って、大きな病院のドクターの言葉を、私は受け入れることができなかった…。
こんなに医療が進んでいるのに、どうして助けることが出来ないの?
まだ70代なのに、高齢って言うの?
まだしっかり会話出来るのに、死なないといけないの?
と…。
食べれなくなったけど、麺類が食べたいって言うからお素麺を作ったら、全部食べてくれた…。
お部屋にお送りしたらいつも、「もう行くと?」って手を握ってきた…。
意識なくなったように見えても、声を掛けるどこかで反応してくれた…。
「自宅で看取る…」自宅でも病院でもないところだけど、自然に自然に…。
延命はせずに…。
これからたくさん、こんな経験をするのかもしれないけれど…。
頼りになるドクターと訪問看護と介護スタッフと…。
ご家族と…。
ご本人の気持ちを大切に…。
明日(今日だ!)も仕事だから、もう寝よっ。
いっぱい泣いたら心が空っぽじゃなくなった。
ありがとうございました(*^^*)
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この時から20名近い方の看取りをさせて頂きました。
「人は必ず死ぬ」避ける事の出来ないこの事実を突きつけられてから、自分の中の「介護」は「介護する人と介護される人」ではなく、「人と人」に変わっていった様な気がします。
皆さんの最期まで生きる姿は、一人一人の物語となって、自分の胸の中にしっかりと残っています。
あの頃から、私も映画の主人公の様に少しは成長したでしょうか。。?
「うん。うん。」って言ってくれるかな?
有料老人ホーム銀の庵 古殿
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すずのね井芹 (水曜日, 20 2月 2019 08:56)
うん。うん。
その様な意識を持って介護する方が増える事を望んでます。
利用者様から教わる事で日々成長します。人と人です。ものではありません。
よしたけ (水曜日, 20 2月 2019 21:56)
今まで一緒に色んな方の見送りをしてきましたね。
一生懸命関わるほど、亡くなられたとき寂しく、ぽっかりと穴が空いたようにもなりましたね。
でも、一生懸命ケアした時間は物語となり、私の心の中に再配置されいつまでも残っています。
その物語が、私の知識やケアの源となってます。
これからも一緒に物語を増やしながら、成長していけたらと思います(^^)
あっちゃんです (水曜日, 20 2月 2019 22:01)
ご利用者様お一人お一人との出会いが宝物ですよね・・・
古殿さんが看取ったご利用者様も空の上から見守ってくれていて、きっと「うん。うん。立派に成長してるよ!がんばれ!」って言ってくれてると思いますよ。
小野幸代 (水曜日, 20 2月 2019 23:32)
有料ホーム銀の庵のみなさーん!
みんなそれぞれ成長していると思いますよ。
人の最期を看取るケアは、一足飛びに上手くなるほど容易なことではないと思っています。
日常のケアのコツコツと丁寧なケアの積み重ねが、成長に繋がっていくと信じています。
『ケアニン』いい映画だったみたいですね。
研修に参加したり、本を読んだりすることは、尊厳あるケアに繋がると思います。
これからも一緒に頑張りましょう!